2019年5月12日日曜日

キャバレーからデューラーへ

絵を始めた頃、教師にきみの色はまるで場末のキャバレーみたいだと言われた、絵の色になってないと。そう言われてもどうしたらいいか分からなかった。ある時考えた訳ではないが灰色で描いた絵をずいぶん褒められた。それからグレーの絵ばかり描いていた。灰色に自分の色味を発見したつもりになっていった。でも本当はうんと強い色で描きたかった。真っ赤とか真っ青とか原色で激しい色を…。
エミールノルデのような色を使えたら最高だと今でも思うが、残念ながら僕はノルデではない。
ゴッホのような激しいタッチで描きたいと思うが、残念ながら僕はゴッホではない。
ルドンのような神秘的な絵を描きたいと思うが、残念ながら僕はルドンではない。
自己のニュアンスに忠実に描いていったらデューラーのようになれないかととんでもない望みを抱いている。(画)

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