2019年2月24日日曜日

花のまわりで

花びらの輪郭を美しくしたい。もっと精妙で軽やかに。そう思いながら粗めの砥石でごりごり削っていたら、ぴょんと歌が浮かんで来た。「花のまわりで鳥が回る〜鳥のまわりで風が回る〜回れ回れ回れ〜」というところが素敵だ。この歌のイメージは幼い子らに絵を描かせる時と全く同じだ。

花の香りはぐんぐん回りながら広がっていく。そういうダイナミックなものが命だ。形が香るようでなければ彫刻ではない。楽しいとか嬉しいとか、内側から湧き出てくる気持ちが石を彫らせるエネルギーだ。

嘘の涙や感動は人に伝播しない。聴いた人見た人触れた人が、弾きたくなる描きたくなる作りたくなるものが真の芸術だ。そうでないものは人を寄せ付けない冷たさがあってそんなものは競争心をそそるだけの偽物だ。これはもうはっきりとしている。(K)



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