山道でガハクは四角形をしたゴムの小さなブロックを拾った。誰が落としたのだろう、ここは滅多に人が来ない場所なんだ。汚れてもいるし傷だらけだけど、何かに使えるかもしれないと思い、ポケットに入れて持ち帰った。家に着いて、改めて眺めていたら嫌になった。
何でもかんでも拾って来るのもいい加減にしないとなあ、と思ったらしい。で、ゴミ箱に捨てたんだ。
ところが、しばらくして「待てよ。あれは、僕の長靴の底にくっ付いていたものじゃないか?」と、突然閃いた。ゴミ箱から取り出し来て、長靴の底を見たら、空洞が出来ている。そこに当てがってみたら、まさにピッタリ嵌った。水が浸み込むようになっていた使い古しの長靴が、再び蘇った瞬間だ♪
「もう何年履いてるんだろう。トワンが生きている頃からずっと履いているんだよ」と、新しいゴム長も買ってあるのに、また古い方を履いている。(K)