2021年2月23日火曜日

魚人の髪

 どんどん変わって行く人を見ている。スピードが上がっている。このペースで行くと、あと1週間もしたらこの魚人は海溝に到達するんじゃないかな。そしてアトリエの解体も終わるだろう。そしたら、いよいよ青空の下で土木作業や運搬仕事に励むことになる。

二人とも顔が日に焼けて来た。一年前の今頃は、ガハクは白くて細くてまだ水だって飲めなかったんだ。連休明けの2月24日に医師の指導の元で「飲んでみてください!」と言われて、恐る恐るコップの水を口に含んで飲み込んだ。管を外して、初めての食事が始まった。

「立つということがこんなに苦しいことだとは知らなかった」と、退院したばかりのマーエダさんがツイートしていた。それを読んだガハクが、「あれは一番苦しかった」とリハビリの初日のことをまざまざと思い返して話してくれた。病床から立ち上がるまでの道のりの厳しさを身を持って体験した者同士、住んでいる世界は違うけれど、実感を持って共感し、同情し、寂しがっている。

だから、今日も勇んで解体作業に向かったんだ。「早くやりたくて仕方がなかったよ。買い出しから帰って来るのが待ち遠しかった」というガハクは、去年カビだらけになった座敷の絨毯をめくって、掃除機をかけてくれた。おかげで今夜は爽やかだ。(K)



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