最初に飼った猫が黒猫。その次に舞い込んだ猫も黒猫。その猫が産んだたった一匹の猫も黒猫だった。影か実態か分からぬ黒い輪郭。頭だけが、やたらにでかい子猫の姿。さすがによく描けている。よく知っているからだな。
少年の姿も素敵だ。もう40年も子供らに絵を教えて来たから、自分の子はいなくても子供との付き合いは長い。彼らはずっと子供なんだ。自分の子なら、だんだん大きくなって子供ではなくなるものね。少年の心は傷つきやすく繊細でストレートで歪みやすい。そういう柔らかさが描けている。さすがだ。
森のこと。樹木のこと。そこに住む妖精のこともそのうち描けるようになるだろう。こんなに毎日山の中で遊んでいるのだもの。今日は、寒空に風が舞い上げる木の葉がちらちらキラキラ光る一日だった。(K)