太陽に照らされて白く光っていた木に感動したガハクが、「賢治が書いているのはこれかと思ったよ」と言う。『土神と狐』が恋した樺の木のことらしい。つやつやと白く光っていて、触るとすべすべして、まるで女の人の体のようだったとも話していた。
スエデンボルグによれば、人が植物を眺めている時はその内側では人のことを想っているのだそうだ。逆に動物を見つめている時には、草花や樹木のことを考えていると書き残している。
ときどきハッとするような輝きに出会う。出会ってしまうと、もう戻れない。冬の乏しい太陽の光に真横から照らされてこんなにくっきりと鮮やかに、青と白。(K)