トワンが描き直されていた。
「舌を出しているように描こうと思ってさ」ぺろっと口元からピンク色が覗いている可愛い姿がもう目に浮かぶ。いい絵というのは、仕上がる前から想像力を刺激する。線や色面で塗り分けられたかっこいい絵が描けても、愛する者が描けなければ寂しいじゃないかと。だから、せいぜい若いうちから売り出そうなんて姑息なことを考えるよりも、愛しいものを見つめて画布に納める技術くらいは身につけておきなさいとパリの有名画商の『絵画教室』という本に書いあるそうな。ガハクの蔵書で、私は読んだことはないけれど、挿絵も面白くて実践的で現場感があって、絵描きの心を見抜いていながらリスペクトがある。いちばん素敵なのは、絵を見る目を持っているということだ。もう現実は絶望的でつまらない話が多い世の中だから、トワンがまた一層可愛くなって出て来ると思うと、楽しくなる。意識が変わらなければ、何度描き直しても同じものか、それ以下のものしか出て来ない。だから意識の革命が先行するんだ。そのもっと手前に、変わろう、変わりたいという想いがなければ無理だろう。(K)
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