2020年9月3日木曜日

蜘蛛の仕事

歩いていると、よく蜘蛛の巣が顔に引っかかる。「ここにはきっと蜘蛛の糸があるぞと思って近づくと、無かったりもする。蜘蛛はどうやって場所を決めてるのだろうね」と、ガハクが山散歩から帰って来て汗を拭き拭き話し始めたのは、蜘蛛の仕事についてだった。

罠にかける虫を食べて暮らしている蜘蛛が、虫が通りそうな場所を的確に探しているとは思えない。隅っこの何でもない所に無造作に張られている巣もあるし。偶然にそこに作ることにしたというだけの良い加減で適当なことが、そんなに大きな悪さをしないで済んでいるという、そんなことに話は進んだ。

もし美味しそうな虫を狙って、そいつが通りそうな場所に罠を仕掛け、時間もぴったり合わせて待ち受けていたら、蜘蛛はかなり悪い奴だということになるが、そんな蜘蛛はここにはいない。ただ毎日せっせと壊された糸を張り直して、お腹が減ったり、食べきれなくて放っておいたりして暮らしている呑気な奴ばかりだ。(K)


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