沢沿いの山道でトンボに出会うと必ず写真を撮って来て見せてくれる。ガハクは糸トンボが好きなのだ。これは何というトンボ?と聞いたら、「セグロアオトンボ!」とサッと答えて、すぐに「ま、僕が付けたんだけどね」と付け加えた。名前を付けてもらって嬉しそうじゃないか、セグロアオトンボくん。
暑い夜が三日も続くと、さすがに頭が痛くなって来た。夜に安眠できないからだ。で、今日は一大決心をして、エアコンの修理を頼むことにした。メーカーの三菱のホームページから修理依頼をしたら、まもなく確認の電話がかかって来たのはいいが、修理は6日後になるとのこと、、、ボー読みだから、ただ手元の文章を読み上げているらしい。了承はしたものの、不満が残った。
夕方やっとアトリエに出かける気力が出て、少し石を磨いた。耳とうなじ。
家に帰ると、何と、ガハクが他の業者を探していて、しかも明日来てくれることになったと言うではないか!「Kが体調を崩しているのに、あと6日も待てないよ。危ないから他に頼んだ」と。キャンセルは何とでもなる。急がねばならないこと、ケチってはいけないこと、決断しなければならないことは二人でやれば出来る。お金も午前中に郵便局から引き出しておいた。用意万端。あとはガスの注入だけで冷却装置が復活するのを願うのみだ。もう20年以上も前に買ったエアコンだからねえ。音楽の仲間がうちに練習に集まるから、2台一気に設置したのだった。あの時はガハクが驚いていた。「窓用エアコンを探しに行くって言ったのに、大きなのを2台も」と。必要ならばいつだってドンと買うんだ。
アトリエの野原に今日から赤トンボが飛び始めた。(K)
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