犬の散歩で裏山に上がるのを日課にしていた頃、禿山のようだった山の木が少しずつ大きくなり森が徐々に再生していくのを見て楽しんでいた。やがて木に絡みついて繁茂する藤蔦の多さが気になった。木が苦しんでいるように思えて時々引っ張り下ろしたり時には鎌を予め用意して切って回った。そんな時トワンは勝手にその辺を走り回っていた。次にイタドリがやたらに繁殖して大きな衝立のようになると森の下草が生えないし全体に暗く鬱陶しいと思えた。それも伐採の対象になった。鎌を使うとイタドリは気持ちがいいほど根元から簡単にポコポコ切れる。帰りたがるトワンを無理に待たせて作業に熱中した。
今ではあゝいうことにどんな意味があったのか、どうしてそんなことに夢中になっていたのか自分でも分からない。
またそんな季節がやってきた。(画)
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