2019年4月26日金曜日

植物と啓示

冬の間部屋の中に置いていた観葉植物。毎日眺めていたからそれを絵の中に描き入れるのは容易に思える。よく知っているものは描き方さえも自然に浮かんで来る。反対に知らないものは実際にそれを目の前に置いていたとしても上手く描けない。描き方も浮かばない。だから表現において体験は何にも増して大事なのだ。
しかし本当に面白いのは知らないものをまるでよく知っているかのように描けた時なのだ。なぜなら予め画家の脳裏に浮かんでいるイメージ以上のものが思いがけず画面に現れるという突然の出会いがなければ、予定調和だけしかなければ絵の本当の魅力は出て来るはずがないからだ。
たぶんその時画家の心は知識にも既存の描き方にも囚われず、ただ受容という啓示のなかにあるからだと思う。 (画)


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