見つめる眼はトワンから教わった。
あの夜、彼は何を見ていたのか。大好きな人をただじっと見つめていただけか。訣別を意識して記憶に焼き付けようとしていたとは思えない。静かで動かず、遠くも近くもない、距離を感じさせない視線。
彼が見ていたのは愛そのものなのだ。愛するもの同士が互いを見つめる時、そこには所有でも共感でもない、ただ相手をただひたすら見ている眼しかない。二人の眼はそこに愛を見ているのだ。
愛がこんなにも身近にあるという奇跡に驚いたように見ている眼だ。(画)
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