金魚を飼うようになってから、ガハクの描く水の色が変わった。
魚にとっては空気のような水。人にとっては水のような空気。息が詰まるのは、苦しいことがあるからだ。息をしているのを忘れるくらいに自由に泳げたら、こんなに楽しいことはない。
重苦しい空気、爽やかな風、水の中にもあるんだろうな。
この人の目は魚のようだ。裸眼で水の底を見つめている。海底から光が射している。光に向かってずんずん降っていく。魚の天国は海の底にあるのだろう。(K)