この絵を見て一斉に「きゃーっ!」と叫んだ若い女性たちのことを思い出した。まだ隣の借家に住んでいた頃のことだ。ときどき仲間で誘い合って遊びに来てくれた。絵の中に描かれている狭いキッチンでワイワイガヤガヤ皆でコロッケや春巻きを作っては揚げ、パーティーをしていたんだ。お腹いっぱいになると、裏山に皆で登った。犬を先頭に、猫は留守番だったかな?適当に暮らしていたのだ。
「白い人が出たのはどの辺りですか?」と、聞く。すでに彼女らは、ホームページに載せている『白い人』の絵とその経緯を知っていて、これからミステリーゾーンに踏み込むぞという感じだったのだろう。ガハクが「今立っているその辺り!」と指さした途端、「きゃーっ!」と抱きついて来たっけ。
絵の中の犬はトワンに描き変えられているようだ。前の犬は、いっしょに踊ったりはしなかったし、黒猫はトワンが来る前に死んじゃっていたし。
「ナイフを使って描いているから、新しいね。あの頃はまだこんな風には描けなかった」とガハク本人の証言もある。古い絵を引っ張り出しては描いているのは昔からやっていたことだった。燃やしたものもあるし、ズタズタにナイフで切ってゴミに出した絵もあるが、こうやって変容して成熟していく絵もある。真実が立ち上がって来て初めて鮮やかに描けるんだ。
窓から風が吹き込んでカーテンが揺れているなんてことになっているとは、今まで知らなかったよ!いつ描いたの?(K)