2020年7月13日月曜日

花を見つけた

ガハクが退院してから描いたのは、大きな絵『Mの家族』と、この小さな絵の二枚だ。何を描こうとしているのか聞いたことはないけれど、タイトルは何?と尋ねたら、
「"花を見つけた" 、だから花を描かなきゃね」と言う。

ここまで描いた後は、ずっと置いてある。花が向こうからやって来るまで放っておくつもりだろう。自分から迎えに行っちゃ大した花は描けない。香りのない花を描く人の多くは、他人にその絵を見せようとして描いているからだ。花と出会ったこともないくせに。

キッチンの窓を開けると、白い木槿の花が見える。二階の画室から見下ろしたら、いっぱい咲いているのが分かった。自然と生え出て来た木で、何処から種が飛んで来たのか、運ばれて来たのか、いつの間にか大きくなって、5年くらい前から花を付けるようになった。木綿の白いワンピースのような皺が花びらに適当に影を付けて、涼しげなんだ。(K)


よく見られている記事