2020年6月8日月曜日

美が入り口

信も愛も否定されたこんな世の中では、美だけがその入り口だそうな。その美だって曖昧なもので、ちょっとでも深く話し込んでみると、相手がとんでもない悪趣味な人でがっかりすることがある。少しは勉強しろよと思う。だからと言って、口を噤んで自分の意見を何も言わないような人には魅力を感じない。明るく透き通った意識を持てたら、鮮やかな色をどんなにふんだんに使っても決して下品にはならないだろう。微笑みを誘う快活な気分にしてくれるのが絵だ。そういうことが、美が天界への入り口だと言われている所以なのだろう。

「明るい色を使いたいのにだんだん暗くなってしまう」とガハクが言う。何度も地面が塗り替えられて、トワンもまた新しく描き変えられていた。黒猫のジュニアだけはいつも真っ黒。可愛いやつだった。(K)


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