2020年2月21日金曜日

トワンに似てる

ガハクにデジカメの液晶画面を見せるのが日課になっている。しっかり食べてるよという証拠写真を見せたくて始めたのだけれど、今日はこの横顔を見て「トワンに似てる」と言われた。トワンはガハクに性格が似ているとは思ってはいたけれど、横顔まで似ていたとは知らなかった。

今日は口元を慎重に時間をかけて整えた。上唇がすーっと内側に入りながら、下唇を押さえ込むようにして触れるのが特徴で、この静かな面の傾斜を彫るのに苦労した。なんとか思うような形になった。でもまだ顎がダメだ。成り行きで作られたものの形は粗野で冷たくて硬い。もう少ししたら見えてくるだろう。時間が動き始めたから、大丈夫。

ガハクは今日やっと転院して、大学病院の呼吸器科に移った。そこで精細なデータを元に本格的治療が始まる。多臓器疾患も伴った肺炎だったそうで、これからはステロイドの投与がなされるという。肝臓と腎臓だ。今度は6人部屋で、ピンクのカーテンに包まれたガハクのベッドは真ん中にある。雰囲気も明るくて、そこに入った途端、酸素の数値がぐんぐん良くなって、99を出していたのも分かる気がした。このまま順調にいけば、2〜3週間で退院して自宅に帰れるそうだ。ガハク目を丸くして「え、そんなに早く退院できるの!」と喜んでいた。その明るい笑顔が今日の最大のご褒美。

帰りはすっかり遅くなってしまったけれど、山に沈むオレンジ色の太陽を眺めながらハンドルを握った。なにか歌っていたように思う。(K)


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