2020年2月17日月曜日

胸の浄化

ICU区画は広くて、緊急な人たちのベッドが並ぶ場所と、病状の安定した状態の人たちのベッドが並んでいる場所とがある。集中治療室から離れるに従って、医療スタッフの数と機械類とパソコンやモニター類の数がだんだん減っていく。緊迫感も当然薄くリラックスした空間となる。ガハクが引っ越したエリアでは小さな音でオルゴールのメロディーが流れていたりする。

ガハクは今日はさらにICUから遠のいて隅っこの静かな区域に移動させられていた。周りのベッドには管を口に突っ込んでいる人はいなかった。看護師の声に応えてもぞもぞ動いている人もいた。

ガハクは昨夜は初めて熟睡できたとのこと。先生にストレートに聞いたのだそうな。「僕はこれからどうなって行くのでしょうか?」って。作戦としては、酸素がだいぶ減らせているので、これから抵抗力が戻ってくるまで無理をしないようにやって行くのだそうだ。「じゃ無理に体を動かそうとしなくてもいいんですね」との質問には、無理はしてはいけませんとのこと。

 ガハクは近々個室に移される予定だという。そこはICUエリア内の個室空間なので、差額ベッド代は要らないのだそうな。助かる。安らかな眠りがいちばんの薬だ。

胸の天使がくっきりと際立って来た。(K)


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