コンビニでお金の振り込みをして、コンビニのコピー機にSDカードを差し込み楽譜をプリントした。もう銀行もプリンターも近くになくても大丈夫。そんな時代だ。
今世紀最大の流星群が降った翌日、昨夜の流星ご覧になりましたか?と園長に語りかけたら、
「はい、見ました。ハイビジョンで」と穏やかな笑みと共に返事が帰って来た。そんな時代だ。
実感を大切に、経験をしたものが色になり形になるのだからと言うと、
「 まだ私は若いですから」とささっと軽く筆が当たるだけの小器用さで満足している様子に言葉を失う。そんな時代だ。
それでも大好きだった生き物が死んだら、その時、まざまざと自分と彼との間にあったものが何だったかを思い知る。美しいものであったなら、彼の姿はもっと美しくなる。醜いものがあれば、憎しみは増幅する。忘れようとしても湧き上がる感情が熱く優しく高らかに響き渡るように、足先から彫り始めた。(K)
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