「死」とは何か、その答えなど到底僕などにはすぐに分かるものではないだろう。
しかし彼のことなら…今まで見たり触れたり聞こえるものとして一緒の時間を過ごして来た。あの日を境にそれがそういうものではなくなった。見ることも触れることも聞くこともできなくなった。存在しなくなった?
存在とは何だろう?
確かに肉体は消失した。今更墓を掘り返してもそこに彼はいない。しかし僕らの想念の中にあるイメージ、それは確かに存在を続けている。その固有性は依然として続いている。
今まで彼は肉体を共にして我らと同じ時間の中にいた。これからの時間は肉体なく存在すると考えた。それが彼のステージになったのだ。それを受け止めて共に時間を進んで行かねばならない。(画)
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