2018年8月14日火曜日

懐の風

真っ白な入道雲が山から湧き上がっているのを眺めながらアトリエに向かう夏の午後。天人の腕の間を風が流れて行く。この風に吹かれたら、どんな病も癒されるだろう。意識の置かれた状態がそのままその人の顔に現れている。優しい風に包まれているからこんなに元気にいられるのだ。悪意にわざわざ近づく人たちは、奈落に属しているのに違いない。恥辱と優越の間を行ったり来たりしながら競争し続けて重く暗い穴の住人になるのだ。そんな世界とはおさらばしよう。新しい場所に向かおう。(K)




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