2018年6月27日水曜日

生きている形

手で遮断された腰の左右のズレが面白い。捻れた胸とお腹と腰に砥石をかけたり、じわじわ出て来る形と変化する色合いを眺めながら彫っている。

イタリアの大理石彫刻工房では、ノミを作る人、粗彫りをする人、仕上げの研ぎをする人、磨く人のそれぞれが分業になっていて、代金を払えば図面を持ち込むだけでどんな彫刻でも作品化してくれるのだそうな。実際にレバノンの作家である知人が、そうやって作った自身の作品の写真を見せてくれたことがある。そこには商品化のレーンに乗って生産されたもの特有の形があった。最後まで意識が届かなくて途中で大事なものが死滅するのか、元々何かのコピーだからなのか、どっちにしろつまらなかった。(K)



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