2018年6月10日日曜日

思い出したこと

またSの顔の続きに戻った。
色をずっと単純にしたい。一旦潰してやり直す。形も色も今初めて気づいたというような新鮮な息遣いを表現しなければいけない。
Sの思い出。野球の試合でバッターボックスに立ったS、白いタオルを頭に巻きバットを構えてギョロ目でピッチャーを見つめる。ガニ股に開いた脚。あまり打てそうになかった。
禅坊主が師匠に海の水を飲み干せと言われて困った挙句、目の前の茶碗に入った湯をぐっと飲んだら、それだと言われたと。つまらん話だと思ったが彼は面白いと感心して見せた。
絵は本当に上手かった。絵に対する真摯な姿勢と努力による手堅い技術を持っていた。今ならもっと適当に描いた方がいいと俺は思うけどな。(画)



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