「いつまでもあると思っていちゃいけないの。すぐに無くなるものなの」と言ったのはシャーロットだ。『野生の棕櫚』(フォークナー)に出てくるヒロイン。彼女は晩秋の湖で素っ裸になって泳ぐ。ブルブル震えながらストーブで暖をとる姿が傷ましくも美しい。
出会った人は知っている。”存在”にもし出会えたら、それはもう奇跡だと。
画室のドアが開いていたので声をかけずに覗いたら、「わっ、ビックリしたあ」と、ガハクにすごく驚かれた。集中していたんだな。泳ぐ人が強くなっていた。世界にひとつしかない真珠を探しにぐんぐん潜って行く。(K)