2020年7月6日月曜日

超常現象

「一色で刷ったのに、色が2色出るんだよ。ほら、ここんとこ」と指差す箇所を見たら、確かに違う色が出ている。緑がかった色だ。他の色で刷ったのも(単色なのに)同じ場所で色が変わっていた。円の外側に放射している細かな線と字が何かの影響を受けて変化している。まるで、色の微粒子が自分の好みの住処を見つけているみたいだ。

昨夜ガハクがしみじみ、「銅版画は本気でやらないととても出来る仕事じゃないよ。版画は安いからと思って安易に取りかかったらとんでもないことになる」と言った。ちょうど一年前にぞうけいの生徒さんが銅版画をやってみたいと言い出して、ガハクは一旦は断ったけれど、まあやってみるかと道具のことから調べ始めたら、一気に引かれてしまってガックリしたのを思い出した。けれど、ガハクはそんな他人のことなんか全く考えていない様子で、話し続けた。

「やればやるほど新しい発見があって、その発見がなければ堕ちてしまうし、楽しくなくなる」そういう領域に入った。(K)


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