2020年7月10日金曜日

ステロイド

ひと月ぶりのガハクの通院日。いつものように採血をして、胸のレントゲンを撮って、それから診察を受けた。さすがに今日こそは薬が無くなるだろうと予想していたのだが、足の浮腫みの原因について様々な可能性を探って話し続けている先生の様子に、どうも今日は釈放までは行きそうも無いなと、内心落胆しながら聞いていた。薬の処方だけは今日までにして欲しいとの願いを込めて、静かに耳を傾けて判決が出るのを待っていた。二人でじっと耐えていた。

診察の最後の方でやっと、
「浮腫みの原因はステロイドの副作用かもしれません。ステロイドしか考えられない」と言われた時は、ホッとした。
「ステロイドは一旦終わりにしましょう。それで浮腫みが消えればそれが原因だと分かるわけですからね」と仰った。他の薬もステロイドが無くなれば必要ない。

2月2日から今日まで5ヶ月と9日の間、体の中の嵐を抑えてくれたステロイド。ところが先生は、「もうステロイドが効いるかどうか分からないんですよね」とも仰る。一旦やり始めたら、急に止める訳には行かない薬がステロイドでもある。

病気は自力で治すしかなく、周辺で支援活動をしてくれるのが薬だ。病気が教えてくれることはとても多くて、それは貴重な体験だった。完治なんて無いのだと知った。数値が完全になるなんてこともあり得ないようだし。だって先生は、「それは個性かもしれないんですよね」と、また不思議なことを仰るものだから、訳が分からなくなっちゃう。

ひとまず薬は終了ということだ。ガハクの肺は治った。(K)

⇩ガハクの山散歩:ここはエデンと呼んでいる場所だ。手前の木は枯れている。「一年前は生きていたんだよ。葉っぱが付いていたもの。木も枯れることがあるんだね」ガハクは綺麗な霧に包まれて歩いている。

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