肺の空洞を想像させるボワーンとした音がすると、スピーカーの箱みたいだと思う。息を吐き出し切った瞬間にキュンと小さな音がすると、胸の中に天使がいるように感じる。
昨日先生が、ガハクの胸に聴診器を当てた後に、パソコンに向かって文字を打ち始めた。「軽度のなんとか音あり」と横文字で書き込んでいた。たぶんその音は、ザーザーと風のような音だろう。まだうっすらと白い霞があったから。
今夜のガハクのトレーニング、ついにエキスパンダのバネが2本に増やされた。 ぐっと両手を広げて、やっと3回できた。じりじりと筋肉が太くなっている。腿にやっと肉が付いて来た。
彫刻の胸の形をとらえ直している。脇をキュッと締めたら、翼がゆったりと動き始めた。(K)