2019年7月16日火曜日

搬出を終えて

展覧会は無事に終わった。
 出かけに車に載せていった『月夜の方舟』は一度も車から降ろされることはなかった。ピアノの上の壁にかけてみたらぴったりとはまった。ずっとここにいればいい、もう山を降りることはないという声が聞こえる。トワンの替わりの犬はいないと言っていたガハクが、保護犬を飼おうと言い出したのも同じ声を聞いたからだろう。夕暮れに外が金色の光に包まれ、やがてピンク色に変わっていった。夜になってザーッと雨が降り出した。まだ降っている。明日から本当の日々が始まる。(K)


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