小さな筆一本だけで描いてみた。ターレンスの赤貂、軟筆でサイズは04となっている。縦数十センチの面が相手にしては相当細い。最初は鋭かったおろし立ての筆の先が終いにはすっかりボソボソになってしまった。それでも腰はしっかりしているので使い続けた。いい感じの絵具の含み具合に思えた。
筆を発明した人は本当に偉い。筆がなければいくら綺麗な色を見つけたところで大きな面を塗ったり壁画を描いたり、まして天井画など考えもしなかっただろう。しかしきっと絵具が発明されたのと同時に筆も発明されたのだ。そして元々絵具を見つけたのは描こうという意思なのだ。必要とはそういうものだろう。
描こうと思う時、描き方が浮かび必要な道具も揃えられるに違いないのだ。(画)
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