2018年12月7日金曜日

雨の実感

雲の下の暗がりがポイントだと分かったで急いでガンガン削っていたら、その下方にある雲から温かく柔らかな雨を降らせたくなった。春先の芽吹きを即すあの優しい雨が恋しくなった。

トワンのせいだ。トワンが死んでからいろんなものが見えるようになった。自然の中にではなく、彫刻の中に。ブレイクが「自然は私を疎外する」と言った意味をひしひしと感じている。

生きて行くのに必要なのは超自然のパンだ、それは美という天から降り注ぐ雨だ。今夜は川を彫っていると、そこを遡っているトワンが見えるように思えてジーンとした。こういうことだったのか、死は卵だというのは。(K)


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