彫金の仕事をしながら寄宿生活を続ける、そんな事がルソーの『告白』にある。徒弟修行の半ばで出奔した彼の彫金の技術は中途半端なものだったらしいが、それでも生活はできたのだ。
アメリカ映画で刑事が犯人の住処とおぼしき家に捜査に入って言う「いやここは誰も住んでいた気配がない、絵の一枚も壁にかかっていないぞ」
今の日本では絵で食っていける人は稀だ。残念な事だと思っていたがそれはちょっと違うと分かった。芸術で食えないのはいいことなのだ。売れないからこそ勝手な絵を自由にいつまでも描いていられる。もしこれが職業であれば先方の気にいる物しか作れないに決まっている。
↓『ガジュマルの樹』人物の足元の部分。分かるかなあ?(画)
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