2019年8月12日月曜日

ボクハ「うちゅーじんだ」

「アートとはアウトサイダーから見たこの世界のイメージを提供すること、いわば宇宙人から見た地球」(宮台真司)という言葉に驚いた。「宇宙人」って自分の表現として十数年前に僕がたどり着いた視点に過ぎないはずなのに、原則だったの?と。
記憶を辿れば絵の参考に買った荒俣宏の「世界大博物図鑑」。その中にあったいくつかの絵に惹きつけられた。特に大航海時代の異国見聞による博物図(人から伝え聞いただけで描かれた絵)。正確さにおいては甚だ怪しい代物なのに、いやそれだからこそか、写真のようなリアルな絵より数段ユニークで面白いと気づいた。
直感的にアンリルソーの絵に連なるある種のリアルさの正当性がここにあるし、その視点のユニークさはまさに「宇宙人」と思ったのだ。
今ではいつも自分の中にいる「宇宙人」を意識しないでは絵を描けない。「知っていること」を忘れて「知らない」からこそ描けるもの、理解することより誤解を深く見つめる…完全な愛の視点を獲得すること。(画)

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