2018年12月14日金曜日

真空を埋めずに月を見上げる

森の闇に吸い込まれる鹿と、月の光を浴びている男。このふたりはすぐ傍にいながら異空間に立っている。今夜やっとそういう感じが出て来てホッとしている。

何度もさらって彫り直している背後の空間。平ノミの当て方ひとつでパッと輝く森。一気に進むこともあればじりじりとしか進まないこともある。良いものが出来て来ると何があっても楽しい。

水を汲みに外に出たら雲間から六日の月が出て来た。淋しいけれどこの真空に持ち堪えることが自由への道なんだ。(K)



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