2018年6月4日月曜日

浮かび上がる顔

その頃常駐していた脚の痛みで眠れないまま夜明けを迎えたことがあった。横で眠っている人の顔が明け方の薄明かりの中にゆっくりと浮かび上がってくるのをじっと見ていた。徐々に光が強くなりぼんやりとしか見えなかった顔の輪郭や目鼻立ちが徐々に明瞭になっていく。
それは純粋に美しかった。その時存在への愛を強く感じた。 そして痛みの苦しさがいつの間にか快さに変わっていくのだった。
自分が今見ているものは愛そのもので、愛を見ているということそれ自体が生きていることだと思った。
あの瞬間をいつも思い出すようにしなければいけない。(画)

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