2022年1月27日木曜日

森に行く

毎日森に行く。嘗ては趣味のようなものだった。春夏秋冬、季節の移り変わりを見るのが面白かった。やがてそれが絵に行き詰まっていた頃に新しい主題として救いのように降りて来た。風景自体を主題とするのではなくとも周りの自然は、たとえば人物表現の上でも通奏低音のように響いているのを感じた。

あの日を境に趣味のようなものだった事が今や義務のようになった。取り憑かれてしまったのかもしれない。1日に1度では足りず2度登るようになり、今日は遂に早朝と昼と午後の3度森を往復した。できる事なら戻りたくない。少しも疲れないし、このまま歩き続けてどこまでも行けるならどんなにいいだろうと度々思う。

しかし戻らなければいけない。Kyokoがいるのだ。その身体は今は少し離れた所ではあるけれど確かにそこにいて生きて呼吸しているのだ。そういう彼女を見守る義務がある。それは僕の喜びなのだ。彼女が真剣に心を込めて作り上げた作品と共に彼女自身も僕も一緒にいなければならない。

森に埋没するのを求めるのではなく今は「何か」をそこに見出したい。「何か」を教えて欲しい。できれば新しい自分を発見したい。そしてそれはきっと今よりずっと良い「私」であるはずだ。(ガハク)

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