前に突き出ていた手を奥の方へと彫り直した。ぱーっと大きく膨らんでいたスカートも、腰に張り付くような薄い布にした。そうやってあちこちいじっていると、だんだんこの彫刻の物語が変化していく。
この女は広い道を歩もうとしているのではなく、後ろを警戒しながら、前を行く人から離れないようにそっと彼の背中に手を当て後ろ向きに歩いている。
二人の目は合わせて四つ、犬の目も入れれば六つになる。道は始まったばかりだ。(K)