炎だけではこじんまりとまとまってしまうので、炎の周りをぐんぐん抉ってみたら、だいぶ大きくなった。炎の先端から放射する光も彫った。そして熱の広がりの輪もレリーフ状に刻んでみた。彫りながら、樹木のように広がっていく様子が森のようだと思えた。
太陽は熱と光。もし太陽に熱がなければ何も育たない冷たい冬の世界がずっと続く。
ずっと使わないまま放って置いたコンプレッサーとエアービットだが、その先端の部品が手彫りに使えそうだと気が付いた。タンガロイチップが埋め込まれたタガネはよく切れるし、頭の方も焼きがきっちり入っていてハンマーで叩いても簡単にはへこまない。こんなに良い道具を機械にだけしか使わないのは勿体ないことだった。使いこなす腕があれば、機械ができないことを人の手はやり遂げる。求めていたものにだんだん近づいて来たぞ。(K)