2018年9月5日水曜日

人間天使

 人間天使は、ほんの僅かだけど確かにいる。彼の目の明るさは、相手に自分を映さないからなんだ。そういう目に見つめられたら、パーッと辺りが明るくなって爽やかな気体に包まれる。そういう存在を知っている。

自分を忘れて夢中になれる人が、ふっと思い立ったように動かされるときのその足取りの軽やかさ。それは功績の善とはほど遠く、いつも小さな愛しいものの方を見つめている。

そういう美しい顔が彫れたときは本当に嬉しかった。その視線に照らされながら生きていれば命は乏しくならなくて、ずっと楽しくやって行けそうだ。(K)


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