2020年5月24日日曜日

鳥の人

今朝、庭でスモモの木を剪定していると、真上をトンビがゆっくり旋回し始めた。だんだん高度が低くなって輪が小さくなっている。隣の猫のことが急に心配になった。立ち昇る小動物の臭いに照準を合わせているのだろうか?声を出さず、翼も動かさず、ぐるぐる回っている。高枝切り鋏を抱えてじっと見ていたら、だんだん高くなって、やがていなくなった。

散歩から帰って来たガハクが「山は鳥の人たちで賑やかだったよ。胸いっぱいに山の空気を吸い込んで来た」と言う。 人がいない山、動物にしか出会わない山を 今は自分の庭のように感じているそうだ。昨日も今日も、朝と夕方の二度も山のてっぺんまで登っている。ときどきぶーんぶーんと山が唸るほど今日は風が強かった。

この鳥の人に無垢を吹き込むには、子供のように彫ればいいと思っていたが、そうではなかった。人間的なものには、どうしてもいやらしいものが滑り込む。鳥の胸、鳥の腰の膨らみを探っていたら、やっと妖艶さが消えた。(K)


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