2019年12月28日土曜日

向かい風

朝から音を立てて風が吹いていた。ちょっと迷ったけれど、やっぱり自転車で出かけることにした。立ち漕ぎをするほどではなかったが、ときどき横から押される。急がなければこのくらいの風は何ともない。

前と後ろを繋げる仕事に入った。光が揺れて綺麗だ。衣の揺れは風の足跡なんだな。(K)


2019年12月27日金曜日

イメージの混濁

伝えられたイメージにどれだけのリアリティーを感じ取れるか。
集中治療室に寝ていた母が息子の背後に見たものについて、今にして思えばもっと詳しく聞いてみれば良かった。
親類縁者たちだということだったが、その全てが故人であるような事を言っていた(懐かしい人たち)。ならばその中に死んだ夫はいなかったのかとか、幼くして死んでしまった4人の息子はいなかったのかとか。また彼らはどんな風にそこにいたのか、黙って立っているだけで動きはなかったのかとか、話しかけたりしていないのかとか。
また別にナポレオンや豊臣秀吉が現れたというのだから、彼らはどんな服装だったのかとか。家来のようなものは連れていなかったのかとか。
そこを聞けなかったのは、それが死に行く人の見る幻でしかなく、母の死という衝撃に僕の心が乱れていたからだろう。そこに幻想が持つイメージンのリアリティーを感じられるだけの心のゆとりがなかったからだろう。イメージはリアリティーを失い混濁するばかりだ。(画)


2019年12月26日木曜日

空は広くて美しい

翼の周りをいじって回って分かったこと:翼の厚みを減らした方が、胸から離れる。分厚いと却って背景に張り付いて見えるのは、物質的になるからだろう。

霊的な存在とは、見えているものの中にある光の移ろいだ。がっちりした逞ましく強そうな物の中には現れ難い。脆くて儚くて今にも壊れそうなものの中に宿る。希望とは霊力。欲望とは物欲。どっちから永続的なモチベーションは得られるか?ここまで来たらもう後は前に進むだけだ。(K)


2019年12月25日水曜日

人が人を見る

地面の色を変えた。やっぱり人物が一番難しい。絵描きの実力は人物をどう描いているかで分かると思っている。人が人を見るのだ。人の何を見ているかが形と色を通して絵にはしっかり出る。というかそれしか出るものはないのだ。技巧の巧拙は全く関係ない。人の中に何を見ているか、巧は巧なりに拙は拙なりに見えているものは出るし見えないものは出ないのだ。(画)



2019年12月24日火曜日

袖口から出てくる手

袖から出てくる腕の形が気に入らなくて荒砥であちこちゴリゴリゴリゴリ、、、しばらく削っていたのだが大して変わらない。平ノミを取り出してコンコンコンコン。。。やっと繋がった。力強い手よりも美しい光が宿るように彫りたい。そう思っていれば、そのような彫り方が出来るようになり、そのような形になって行く。そういう生き方になる。それが知恵だ。(K)


2019年12月23日月曜日

ブーメラン

将棋が強かった父親に訊いたことがある。下手な人の指し手を見たらバカだなって思う?て。答えはそうは思わないと。でもその程度の手を指すなら時間使う必要ないだろ、どうしてもっと早く指さないのかと思うと。
今日絵を教えていてそんなことを思い出した。考えてないでどんな色でもいいからさっさと描いたらいいのに、結果がすぐに出て絵がもっと早く進むのにと。
アトリエで自分の絵に向かったらその言葉がブーメランで帰って来た。そうだ、もっとズンズン描くべきだ、結果を早く出し、先へ進まねばと。
方舟の位置を手前にし、森の木を描き、地面の色を変え登る道をはっきりさせた。(画)


よく見られている記事