メゾチントという版画技法に初挑戦。
かなり繊細な技法だ。他の技法に比べて修正も難しいと分かった。予想ではもう少し試行に自由さがあると思っていた。むしろ計画性とか決断力の大きさが要求される。不器用なガハクには苦手な部類に入りそうだ。それでも面白いところもある。不自由さの向こうに開けた場所が見えそうな感じもする。
「夜の木」
夜の森はけっこう明るいんだよ。満月なんかだと懐中電灯がなくても歩ける。よく知った場所だからというのもあるけど。気分が詩的なものに満たされる。
実は知人から『夜の絵』(村山亜土 作.柚木沙弥郎 絵)という絵本を頂きそこから閃いた。これならいくつか絵が描けるかも先ずは銅版画でやってみようと思った。メゾチントもその流れ。
絵画において技法と表現との関係は音楽で言う曲と歌との関係に似ているんじゃないかと思う。
曲作りに凝るばかりに本来の歌の心とか表現したい内容が無視されたりしたらどうなるか。
その反対に美しいとか力強いとか語りかける為の技術をまったく無視してただ心のおもむくままにがなりたてるだけだったら歌そのものはどう聴こえるか。
技術と表現の一致はどうしても必要だ。形式と内容の一致。どちらも相手を無視したら絵も曲も成り立たない。絵も曲も心から出る歌だとすれば。
最近はギターばかり触っていて絵の時間はうんと疎かになってる感じ。その代わりにみている時間は以前よりずっと多くなってるのはいい傾向だとも感じている。音楽をやって心を育ててると言ってくれ。だから広く大きく解放されるまでもう少し。何に向かってかは分からないけど。
ガハク