2020年3月3日火曜日

あたたかな手

手の指のひとつひとつを磨いては彫り直し、彫り直してはまた磨いて、少しずつ温かな手にしようとしている。この手がうまく彫れたら、顔も同じように優しい形を与えられそうな気がして来た。

今日ガハクは、担当医とその上の大先生と専門医との3人に面談したそうだ。右肺に開いた穴は、ステロイドの投与で出来たものだろうとのこと。かなり激しい治療が行われたことで起きたことだろうと。だけど、そうしなければ命がかなり危なかったのだそうだ。今やっと経過が良好に動き始めているので、もうステロイドの投与は止めて、これからは自然治癒でやっていく方針だという。二日に一度レントゲンを撮りながら観察して行くので、被曝の度合いも細かく数字を出して見せてくれたと。許容範囲なので心配は要らないとのことだ。

右の肺が左の肺と同じ大きさに戻るまで、ゆっくりと無理をせずにリハビリしつつ治して行くのだそうだから、時間はかかるだろう。でもそれでガハクの胸が元に戻ってまた元気になれるんだったら、もう何も文句はない。なんとありがたいことだろう。

スケッチブックにいたずら描きをしていたら、看護師さんに見つかって「まあ!見てもいいですか?」と血圧を測りながらじっくり一枚ずつめくって見られたそうな。「皆んなに言ってもいいですか?それとも秘密にしておこうかな」と感動されたガハクの黒いノート。確かにいろんなものがいっぱい詰まっていて素敵なんだ。絵描きとは絵が大好きで楽しめる人のことだ。(K)


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