端から人を描き直すことにした。
全体に色が無さ過ぎるのが問題だ。しかし逆にそれが当時は色を扱う際の唯一の拠り所だった。緑土という顔料をそのまま絵具に仕立てると渋い色合いの暗い色ができあがる。それをベースにして上に色を置くようにして描いていくとグリザイユみたいな単色系の色味に仕上がる。それも嫌いではないのだがやっぱり豊富な色彩感はない。
どんな色を使ってもいいはずだし、使えるはずだ。褒められたいとか優秀な作品を作りたいとかいう他者性を捨ててしまえば自由に色を使った絵を描ける。
昔より数段上手くなってるからいい絵になるのは間違いない(*∩ω∩*)(画)
2019年8月24日土曜日
2019年8月23日金曜日
鑿を立てる
弱くて曖昧な所に思い切ってノミを立てた。見せられたものが消えないうちに急いで彫ったら、視線が強くなって新しい顔が出て来た。大理石の産地が変わったように思えるくらいだ。上品な顔になった。今夜は一つ階層が上がった。ここは今までとは違う場所だ。爽やかな霊気が流れている。(K)
2019年8月22日木曜日
ケンタウロスの子守唄
「ぼうや そんなに泣くのなら そんなに ねんねがきらいなら
砂漠の星へ捨てましょうか 砂漠の星は 赤い星 赤いお馬が 走っていく…」
『ケンタウロスの子守唄』浅川マキ(詩:筒井康隆 曲:山下洋輔)
馬の色が黒いのが嫌だったので色を塗り替えた。パレットと相談した挙句のカドミウムレッド。いい色とは到底言い難いが取敢えずここから始めてみる。
地球上に自分独りだったら絵は描かないだろう?ということは誰かに見せようとして絵を描いている?人はいても誰も見ないと思えば絵を描く?その時でも自分は自分の絵を見るでしょ?なら描く?いや自分はやっぱり自分であって人ではない?(→冒頭に戻る)
いい色でもないのに放り出して置けるだけ度胸がついたと言える。(画)
砂漠の星へ捨てましょうか 砂漠の星は 赤い星 赤いお馬が 走っていく…」
『ケンタウロスの子守唄』浅川マキ(詩:筒井康隆 曲:山下洋輔)
馬の色が黒いのが嫌だったので色を塗り替えた。パレットと相談した挙句のカドミウムレッド。いい色とは到底言い難いが取敢えずここから始めてみる。
地球上に自分独りだったら絵は描かないだろう?ということは誰かに見せようとして絵を描いている?人はいても誰も見ないと思えば絵を描く?その時でも自分は自分の絵を見るでしょ?なら描く?いや自分はやっぱり自分であって人ではない?(→冒頭に戻る)
いい色でもないのに放り出して置けるだけ度胸がついたと言える。(画)
2019年8月21日水曜日
あか抜けた顔
研ぎ澄ます。垢抜ける。一皮剝ける。
ガハクの手足の血色が良くなって、今朝はとうとう顔の色まで変わった。今まで見たことのない明るいピンク色なのだ。人が生まれ変わるとしたら、こうやって日々の意識の変化がそのまま色や形に現れることを言うのだろう。
つまらないことはもうやらなくていいんだ。(K)
ガハクの手足の血色が良くなって、今朝はとうとう顔の色まで変わった。今まで見たことのない明るいピンク色なのだ。人が生まれ変わるとしたら、こうやって日々の意識の変化がそのまま色や形に現れることを言うのだろう。
つまらないことはもうやらなくていいんだ。(K)
2019年8月20日火曜日
表現=人食い鬼
一瞬だがミニマルアートは美しく輝いた。
「表現」に凌駕されそうになった時に絵画は「表現」から逃げ生き残ろうとした。謂わば絵画は方法と目的を単純化(ミニマル)することで死に瀕した状態から息を吹き返し再び活動を始めることができた。一方不健全に水ぶくれした「表現」はミニマルを経て一時的に健康を取り戻したはずだったのだが、ほどなくミニマルを自身の一流派に加えて再び水ぶくれを始め、今ではサブカルまで食い尽くそうとしているように見える。
「絵画は人食い鬼だ、画家の魂まで食い尽くすから気をつけろ」と指南書にある。もはや「鬼」は絵画ではなく「表現」ではないだろうか。(画)
「表現」に凌駕されそうになった時に絵画は「表現」から逃げ生き残ろうとした。謂わば絵画は方法と目的を単純化(ミニマル)することで死に瀕した状態から息を吹き返し再び活動を始めることができた。一方不健全に水ぶくれした「表現」はミニマルを経て一時的に健康を取り戻したはずだったのだが、ほどなくミニマルを自身の一流派に加えて再び水ぶくれを始め、今ではサブカルまで食い尽くそうとしているように見える。
「絵画は人食い鬼だ、画家の魂まで食い尽くすから気をつけろ」と指南書にある。もはや「鬼」は絵画ではなく「表現」ではないだろうか。(画)
2019年8月19日月曜日
今が最高
「好きに彫ればいいよ。今が最高なんだって。いつもそう思ってやればいいよ」とガハクに言われた。夕飯を食べながらガハクの顔をじっと見て、やっぱり違うなあと呟いたのに対して返された言葉だ。
昨夜ガハクはゴロンと床に転がって寝込んでしまった。きっと疲れているんだろうと思って、布団を敷いて移動するように即した。その時思い出したのは、先輩のリュウさんのことだ。酔っ払って帰宅して玄関先の土間で寝込んでしまったのだそうな。「あいつ俺の上を跨いで出勤して行ったんだぜ。毛布の一枚も掛けてくれなかった」って。話を聞きながら彼女のうんざりした様子も浮かび上がった。でもそういうこともプッツリ終わってしまった。自殺はいかんよ。言い訳も謝罪も和解も絶交も全ての可能性が途絶えてしまうんだもん。
Kとガハク展が終わってひと月経った。いつも『山のぞうけい』に遠くから子供を習わせに連れて来てくれる人が嬉しいメールをくれた。彫刻が優しくなったように感じたそうだ。長く生きないと、長く一緒に過ごさないと、長く話し合わないと分からないことがいっぱいある。生命力のある彫刻を作りたい。(K)
昨夜ガハクはゴロンと床に転がって寝込んでしまった。きっと疲れているんだろうと思って、布団を敷いて移動するように即した。その時思い出したのは、先輩のリュウさんのことだ。酔っ払って帰宅して玄関先の土間で寝込んでしまったのだそうな。「あいつ俺の上を跨いで出勤して行ったんだぜ。毛布の一枚も掛けてくれなかった」って。話を聞きながら彼女のうんざりした様子も浮かび上がった。でもそういうこともプッツリ終わってしまった。自殺はいかんよ。言い訳も謝罪も和解も絶交も全ての可能性が途絶えてしまうんだもん。
Kとガハク展が終わってひと月経った。いつも『山のぞうけい』に遠くから子供を習わせに連れて来てくれる人が嬉しいメールをくれた。彫刻が優しくなったように感じたそうだ。長く生きないと、長く一緒に過ごさないと、長く話し合わないと分からないことがいっぱいある。生命力のある彫刻を作りたい。(K)
2019年8月18日日曜日
居合
マイブームの居合。○十年ぶりに試しに型だけやってみようとしたらできなかったのがキッカケで、袴から道着、とおとお居合刀まで買ってやり始めたら面白くてたまらない。
高校生には気づけなかった多くのことがある。体の動かし方、目付け、緊張と弛緩、神経が体の細部にどう働くか…全てが刀を振るという動作の為に使われるのが特徴だ。何よりも集中力が増す。
居合とは何ぞやというその界隈の議論をネットで見るのも面白い。流派間のせめぎ合いのドロドロが美術界と重なる。でもどんな流儀だろうと中心は多分ひとつに違いない。それを考えていれば自己流でも構わない。絵と同じだな。
今日は暑い昼間にそそのかされて居合をやったおかげで疲れたのか夜食後にダウン。深夜の制作の部なし。(画)
高校生には気づけなかった多くのことがある。体の動かし方、目付け、緊張と弛緩、神経が体の細部にどう働くか…全てが刀を振るという動作の為に使われるのが特徴だ。何よりも集中力が増す。
居合とは何ぞやというその界隈の議論をネットで見るのも面白い。流派間のせめぎ合いのドロドロが美術界と重なる。でもどんな流儀だろうと中心は多分ひとつに違いない。それを考えていれば自己流でも構わない。絵と同じだな。
今日は暑い昼間にそそのかされて居合をやったおかげで疲れたのか夜食後にダウン。深夜の制作の部なし。(画)
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