2021年10月14日木曜日

フォークリフトの掃除

 週に一回フォークリフトを動かしてバッテリーも充電しているのだが、今日はその後続けて内部の掃除を始めた。やり始めたら、なかなか終わらない。油汚れや、こびり付いた埃、シャーシに堆積した泥をこそぎ落とし、あちこち拭いて回っていたら、雑巾が真っ黒になった。グレーだと思っていた機械部品が青だったり、黄色のパイプだったり、黒く塗装されていたり、、、。

外側は30年前にレモンイエローのペンキで塗り替えたんだけど、内側は35年間一度も掃除したことはなかったんだ。たまにコンプレッサーのエアでシューッと埃を吹き飛ばしていただけだった。

一つ一つの部品が複雑に組み上がっているのを眺めながら、仕事というものの本来の姿を考えていた。すべてがお金に換算されてしまうけれど、労働の中身をもっと直に体感的に感じとりながら動いて行かなけれぼ大事なものを見失う。

ガハクが車検の終わった車を受け取って帰って来た。整備士のお兄さんが部品交換した所を一々説明してくれたそうだ。うちの車はもうクラシックカーらしい。キャブレーターの付いている車なんてもうみんな乗ってないのね、知らなかった。(K)



2021年10月11日月曜日

花に火を灯す

 3時のおやつにしようと二階に声をかけたが、すぐには降りて来なかった。

家で石を彫るようになって半年経った。なにをするのも一緒だ。学生の時以来で、このペースは本当に楽しい。もっと互いの存在が鬱陶しいものかと思っていたけれど、そうじゃなかった。外に心が向いていないせいだろう。展覧会をしなくちゃとか、売らなくちゃとか、他人と繋がっていなくちゃとか、なくちゃならないものが消えて行くとやっと現れたのが目の前の人、目の前の風景だった。話したいことを思いついたらすぐに口に出すと、聞いてもらえる。

やっと降りて来たガハクの顔に、バーミリオンの絵の具がくっ付いていた。どこを塗っていたのか分からないけど、派手な色の頬紅だ。ティッシュで拭ってあげたけど、油絵具だからなかなか取れない。ほっぺの中に煎餅をくわえたままの舌でぐっと内側から押して協力してくれたので、やっときれいに拭い取れた。

白い花の真ん中にバーミリオンが塗ってあるこの木、命が与えられたようじゃないか!この世に芸術がなくなってしまったら、ただの生殖と生存だけが続く。そんな独裁者のいる家も国も組織も死んだような場所だ。だから遠ざかることこそが本当の闘いなんだ。(K)



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