2018年6月23日土曜日

月と夕焼け

石を彫っていたら開け放したドアの向こうがピンク色に染まっていた。表に出てみるときれいな夕焼け雲が広がっている。雲の色が違うのはその高さのせいだろう。グレーの雲の中に淡いピンク色の雲、背後の空はまだ青く、そこに半月がぽっかり浮かんでいた。こういうタイミングで出て来る月、とてもいい気持ちだ。

男の顔を包む手をくっきりさせた。(K)

2018年6月22日金曜日

永遠の別れ

個性とは多くの他人と少しの自分と言った人がいた。その通りだろうが、その少しの自分を多くの他人が圧迫しているという事も忘れてはいけない。
そしてまた真面目な人々は自己総括とか自己反省とか自己診断なんて事を言ったりする。それも無理なんだ、コンピューターが自分自身を診断し修復できないように。
表現者たち誰もがどこにもない独創性として自己の独自性を売り出そうとしながら市場の要求(と自己が思い込んでいる必要性)に応えるべく売り込みやすいものは、いつかどこかで見たものだという事実に気付かないフリをしている。
そういう世界に永遠の別れを告げよう。(画)

2018年6月21日木曜日

雲の必然

雲の形は自由自在。ふんわりとして柔らかな形の塊が現れたら完成だと思っていたが、それは勘違いだった。深くはっきりとした線が見えて来たので、また彫り始めた。もっと先まで行けそうだ。雲の中に動くものがある。(K)

2018年6月20日水曜日

霊的直感

夕刻になると自転車で家の周辺を毎日走っていた。行って帰るのに40分程度の峠や、森の中のどこに通じているか分からないような杣道を探しては走り回った。乗車できないで自転車を担いで登ったり降りたりするだけというルートにも何度か通った。
どうしてあんなことを毎日やっていたのか?何かの為と意識していたわけでもなく、何かを探していたとも思えない。家でじっとしていられなくなり何かの衝動にかられて出かけたのだ。
今思えば霊的な直感があったのだ。 そんな頃に描いた絵にはぼんやりとだがそれが出ているように思える。(画)


2018年6月19日火曜日

太陽のペンダント

夕焼けのあの燃え上がるような茜色を思い出しながら彫っている。肩と首の角度を精妙にして影をもっと深くすれば、雲の中から湧き立つような美しい人になるはずなのだ。この人の胸には太陽のペンダントを付けてあげよう。(K)

2018年6月18日月曜日

得るにはまず捨てる

新しく何かを得ようと願ったらその前に持ってるものを捨てなきゃいけないらしい。
教養とか知識とか技能とか…それが有用なものであったとしても…それどころか絵を描く為に自分が拠り所にしてるようなものこそ今の自分をガードしている最強のものに違いない。
こんな絵でどうにかなる訳じゃないとは思うしこのままでは済ませられないのは分かってるが、こんな絵が自分に描けるとは思わなかった。(画)


2018年6月17日日曜日

夕焼けの天人

この人はあの夕焼け雲の中にいたのではないかと思えて来た。
幼い頃、乗っていた汽車の窓から雲を眺めていた。空がどんどん赤くなりそれがずっと遠くまで続いているようだった。突然涙がポロポロ出て来た。一緒にいた母に理由を問われ説明できなかった。
幼いもの達だけに見えるという美しい花輪が浮かんでいたなら楽しくなって笑っただろう。でもその時見えたものが死者を引き上げる天人ならば涙が出ても不思議じゃない。
女でも男でもない天の人。お名前は聞いておりましたがお姿を見るのは初めてです。(K)


よく見られている記事