2019年7月20日土曜日

明るい額

もっと頰を削いでもいいな。
額が明るくなったので満足。
耳を少し高くしたいがそれは無理。
このまま優しい顔で行こう。
(K)


2019年7月19日金曜日

お金と天使

「ほんとうの考えと 嘘の考えを分けることができたら その実験の方法さえ 決まれば」と言った賢治自身は直感的にはほとんど分かっていたのだと思う。
後で気がついたと言っても実はその時に既に気づいていた事が何と多い事か。分かってしまうと自分自身に都合が悪いので気づかないフリや無視があったのだ。
思考をもっと純化すればいいのだ。あらゆる束縛から解放されて自由にものを考えることができれば出る結論に間違いはないのだ。だからどうやって思考の純化を達成するかが問題なのだ。
お金の話をすると天使が下がるというけれど、俺たちがお金の話をする為に天使を邪魔なものとして遠ざけているんじゃないかね。(画)

2019年7月18日木曜日

大理石のガハク像

展覧会の最終日に来た友人二人が偶然にも、ウィリアム・ブレイクの詩『無垢の兆し』について語ってくれた。ずっと読んでいたブレイクの詩だけれど、そこに込められたメッセージがこの日は強く響いた。ガハクが「展覧会が終わったら何か大きく変わるよ」と言っていたのは、これだった。境界を超えて新しい領域へ入って行くということだったのだ。それは別れを意味する。解ったからにはもう戻れない。

15年前のガハク像を彫り直し始めた。鼻梁をちょっといじっただけで意識が立ち上がって来る。どこをどうやっても良くなるしかない。目をもっと強くしよう。「真の敵を特定せよ」とヨゼフ・ボイスも言っている。(K)


2019年7月17日水曜日

売れ残り

展覧会場から作品をアトリエに持ち帰った。売れ残るというのは商売上では悪いことなのだがまた手がけるべき作品が増えたと思えば嬉しくもある。負け惜しみで言ってるのではなくホントのことなのだ。
個展というものは本来完成品を展示すべきなのかもしれないが、完成など待っていたらどの作品も公にできるはずもない。その時点で精一杯のものを出すしかないと思っている。(あれ?このセリフどっかで聞いたのに似てるぞ✳️)
こうやってアトリエに並べてみると以前の作品もそれほど悪くない、修正も楽しくできそうだと自惚れている。
『赤い街』だってまたやり直しができるんだからね。(画)
✳️ハムレット


2019年7月16日火曜日

搬出を終えて

展覧会は無事に終わった。
 出かけに車に載せていった『月夜の方舟』は一度も車から降ろされることはなかった。ピアノの上の壁にかけてみたらぴったりとはまった。ずっとここにいればいい、もう山を降りることはないという声が聞こえる。トワンの替わりの犬はいないと言っていたガハクが、保護犬を飼おうと言い出したのも同じ声を聞いたからだろう。夕暮れに外が金色の光に包まれ、やがてピンク色に変わっていった。夜になってザーッと雨が降り出した。まだ降っている。明日から本当の日々が始まる。(K)


2019年7月15日月曜日

画家の存在意義

2週間の展示が終わった。岡山以来デナリコーヒーでの常設展で作品発表の機会は十分だと思っていたが、オーナーの特別のご配慮で今回の展示となった。
僕にとっては長い間課題にして描き続けて来たうちの作品二枚を公表する機会が来るとは思っていなかった。そして反応が強くあったのにも喜んでいる。最高に嬉しい。その絵たちも喜んでいる。
絵を見る人の心に何らかの揺れを与えることができたなら表現の第一の目的は達成したと言っていいだろう。それが悪いものでなくいいものであれば最終目的は達成できたと言えるだろう。画家という存在の意義はそこに始まりそこで終わる。
もうないだろうと思っていたものがあった。ということは次がまたあるということだろうか。(画)


2019年7月14日日曜日

ちゅーりっぷとトワン

見つめるものは見つめ返される。発見したものであればそれはきっと心の奥に刻まれる。元々人は人が好きなのに何を怯えているのだろう。想像だけが悪いものを生む。だから何も知らない方がいいんだ。予告なしでやって来るものは天使が運んで来たものばかりだった。

夕方になって外が暗くなって来たら、チューリップがぽっと開き始めるように思えた。するとトワンがますますくっきり浮き上がって、目が光り出した。
「天使は犬の形をしていたんです。で、猫は友達かな」とガハクが説明しているのを横で聞いていた。(K)


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