2020年2月20日木曜日

『読書』という絵

2階に上がる階段の途中にこの絵がかけてある。絵の中の犬はトワンではなくて、その前に飼っていた犬だ。夏休みの頃にこの辺りをウロウロ放浪していたのを飼うことにしたのだった。お腹に子犬を4匹身篭っているとは知らずに。でもやがて生まれた子犬達は皆もらわれて行った。案ずるより産むが易しだ。犬に学んで自分たちも子供が欲しいと思ったけれど、その頃には年齢のせいもあって、その内に諦めた。だからこの小さなキッチンには思い出がいっぱい詰まっている。感情の起伏が激しい人の読書って、果たして道を違わず進むのに役に立ったのか、今でも疑問だ。苦しかった日々なのにこんなに優しく温かい光に包まれて描いてある。

この絵からどのくらい経ったのだろう?2匹の犬の寿命を足せば26年だから、20年以上前だ。

今日は病院の帰りに街に出て、ガハクのパジャマを2着買った。星空に犬が散歩をしているような模様が気に入って、これなら快癒に加速がかかる気がして、同じ柄の色違いにした。グレーと藍色だ。パジャマなんか買うのは初めてだ。自分で縫ったり、誰かにもらったり、リサイクルショップで手に入れたりしたのをずっと使って来たが、もうケチなことをやってはいられない。

「拾った命と言うけれど、こういうのを言うんだねえ。拾ったからにはもうおめおめとは失くさないぞ。だから、もう片付けのことやらお金のこと、ましてや成功とか栄誉の一欠片だって持っちゃだめなんだよ。刻一刻が大切なものなんだ。何物にも替えがたいこれからの生のことを考えよう」とガハクは言う。

明日いよいよ転院して、専門の呼吸器科での治療が始まる。ガハクの状態はとてもいい。早めに出かけよう。(K)



よく見られている記事