2018年9月4日火曜日

空の器その2

「残り少ない余生を独立と貧困のうちに送ろうと決めた」という一文がルソーの『告白』にあった。続けて、
「世評の評判を断ち他人の判断をいささかも気にかけずに、ただ自分がよしと思われることだけを敢然と行う」とも。
彼が大病を患いベッドで熱に浮かされている間に思いついたことを、病癒えて後冷静な頭で再考し確認した結果の決意だったそうだ。全てのものが自己から奪い去られるという恐怖を体験した人は体の中身が入れ替わるのだ。
今の我々はまさにこんな感じ。世間など気にせず自己のニュアンスだけを羅針盤にして舟を前に進ませよう。(画)


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