2018年9月3日月曜日

空っぽの器

清涼な風が吹いた朝、バラの花びらが欲しくて庭に出たら、一輪しか咲いていなかった。それをハサミで切って花瓶に挿して教室の机の真ん中に置いた。午後になって子供らがやって来たので、さっそくバラの花びらを一枚ずつ引き抜いてもらって、花びらの絵を描いた。花びらの形をした紙粘土のお皿も作った。ピンク色の絵の具を塗ったら、甘い香りが広がった。花に惹かれて手を伸ばせば、喜びも意欲も自然に湧いてくるものなのだ。

夜遅くなってアトリエに出かけた。小雨が音もなく降り注ぐ畑でごそごそとオクラを摘んだ。 今年はオクラとカボチャは大成功でよく採れる。

光の柱に600番の砥石をかけたら、バラの花びらのようなピンク色が浮き出て来た。器を空っぽにしなくちゃ新しいものは入れてもらえないのだから、勇気を出して前進しよう。(K)

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