2021年1月14日木曜日

鼻が匂いを嗅ぐとき

 トワンの鼻を彫っていて気が付いた。いい形になって来たなと思った時に、鼻がふっと浮き上がって見えたんだ。鼻だけが空間に浮遊している感じ。

スエデンボルグが面白いことを書いていた。耳は、音のするところに出かけて行くと言うのだ。トワンが耳を澄ましている時、間近にその実態を見ていたということになる。

 目もそうだ。見たものに感動した時、目はそのものに触れんばかりに近づいている。雲の間を飛べるようになったからこそ、ガハクは雲が描けるようになったのだ。

ウォーコップによれば、光というものは無いという。遠くにライオンを見つけたシマウマは、その距離からして今は危険はないと見て、安心している。(『ものの考え方』O・S・ウォーコップ)

ライオンを見ているだけか。今を生きるものたちの器官はいつも冷静で正常に働いている。(K)


 

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